所属選手のうち、最後まで去就が未定だったGK西部洋平ですが、J3・カターレ富山に完全移籍移籍することが発表されました。
西部 洋平選手 カターレ富山へ完全移籍決定のお知らせ(清水公式)
https://www.s-pulse.co.jp/news/detail/46421
このたび、西部洋平選手がカターレ富山へ完全移籍することが決定しましたので、お知らせいたします。
西部 洋平 (Yohei NISHIBE) GK 1
【 出身地 】
兵庫県【 生年月日 】
1980年12月1日【身長/体重】
187cm/79kg【 選手歴 】
帝京第三高 - 浦和レッズ(1999) - 鹿島アントラーズ(2003.7※期限付き移籍) - 清水エスパルス(2004※期限付き移籍2006※完全移籍) - 湘南ベルマーレ(2011) - 川崎フロンターレ(2012) - 清水エスパルス(2016)【 2020成績 】
J1リーグ(1試合/0得点)、リーグカップ(0試合/0得点)【 通算成績 】
J1リーグ(313試合/0得点)、J2リーグ(51試合/0得点)、リーグカップ(68試合/0得点)、天皇杯(35試合/0得点)、ACL(8試合/0得点)【 コメント 】
『このたび、清水エスパルスとの契約が満了となり、カターレ富山に移籍することを決断しました。まずは自分の気持ちを整理するのに時間がかかり、報告が遅くなったことをお詫びいたします。最後は清水エスパルスで引退したいと思っていた気持ちがありましたが、去年はどうしても不完全燃焼だったこともあり、たくさん悩みました。そして、とにかく完全燃焼して納得して引退したいという気持ちの方が強く、今回の決断に至りました。
プロに入り22年、その内の半分以上となる12年間を清水エスパルスでプレーさせて頂きありがとうございました。まだまだ足りないところは沢山ありますが、プレーヤーとしてはもちろん、人として成長させて頂いた清水エスパルスには感謝しかありません。
また、サポーターの皆さんには、どんな時も共に戦って頂きました。皆さんの応援や叱咤激励が自分の成長に繋がり、今があると思っています。本当に本当にありがとうございました。
チームは離れますが、僕の気持ちが清水エスパルスを離れることはありません。清水エスパルスに関わる全ての皆様、これからも今までと変わらず、清水エスパルスへのご支援、ご声援をよろしくお願いします。
行ってきます。そしてまた、ただいまと言えるように頑張って来ます。最高に幸せで、最高にワクワクさせてもらった12年間をありがとうございました』
清水の今シーズンの陣容発表のうち、GKについては3人が契約済み。過去の状況から4人体制となる可能性が高かったため、残る1枠には西部が収まるものと見込まれていましたが、まさかの完全移籍。
40歳の西部が今シーズンいない場合は引退しかありえないと考えていましたが、契約更新でも、引退でもなく、完全移籍とは…個人的には今シーズンオフ一番の驚きでした。
西部は2004年から7シーズン、そして2016年から5シーズン、合計12シーズン清水に在籍しました。
2004シーズンに浦和レッズから移籍後、即レギュラー格のGKとして活躍。途中、GK山本海人とレギュラーポジションを争ったこともありましたが、7シーズンで公式戦に250試合近く出場。
反射神経が高く身体能力の高いGKとして、清水のゴール前に長い間君臨しました。
今では信じられませんが、西部が正GKを努めていた期間の清水は失点が少なく、ホームでは無敗記録を伸ばすなど、守備面ではそれなりに安定していました。
しかし、2010シーズン末にクラブは若返りを図ることを目的としてレギュラーだった30歳の西部と契約をまさかの非更改。
なお、そのようなフロントの態度に反発するようにその後、2010シーズンをもって多くの主力選手が移籍していきました(いわゆる「大脱走」)。
西部はその前の年に自身の昇給を断り若手の給料を上げてほしいと訴えるほどチーム思いの選手だっただけに、本人もショックだったでしょうし、同僚も同じくショックだったのでしょう。
そして西部はその後湘南ベルマーレ(当時J2)、川崎フロンターレを経て、2016シーズンに清水に戻ってきます。
清水がJ2に降格したシーズン。川崎からはチームへの残留を要請されていたそうですが、それでもJ2に落ちた清水を救うため、過去にクビを切った清水に、年俸が安くなっても自ら戻ってきました。まさに男気復帰です。
既に36歳でしたが、2016シーズンは正GKとして開幕戦からゴールを守ります。しかし、やっと清水がJ2での戦いに馴染んできた6節のアウェイ・ロアッソ熊本戦で太ももの肉離れを発症。この怪我が重症で翌年まで回復にかかります。
さらに2017シーズンには練習中に別の箇所の肉離れ。シーズンを通じて試合出場はありませんでしたが、秋になるとベンチに復帰。残留争いを続けていたチームをバックアップしました。
2018シーズンはリーグ戦にGK六反勇治がフル出場したため出場はありませんでしたが、ルヴァンカップ、天皇杯に出場し実戦復帰します。
そして2019シーズンには離脱した六反の代わりに2シーズンぶりにリーグ戦に出場。13試合に出場し、その間は勝ち越しに成功しました(6勝2分5敗)。また、このシーズンの初先発試合でJ1出場300試合を達成。J1ではGK6人目の記録でした。
昨年、2020シーズンはGK5人体制となりましたがコンディションを維持し出場機会を伺っていました。序列的には3番手から4番手の扱いでしたが、10月になってホーム・サンフレッチェ広島戦で先発出場。
大雨の降るコンディションが非常に悪い試合でしたが、最後列から大声でコーチングを行いチームを鼓舞。残念ながら2-3の敗戦となり、この試合が清水では最後の出場となりましたが、シーズンを通じてベンチに入る機会も多くありました。
怪我から復帰後のインタビュー等でも身体は動いているという話が有りましたし、コメントで「不完全燃焼」と言っている通り、清水で引退したいという気持ちよりも、まだまだやれる・やりたいという気持ちが勝ったのでしょう。
体調やコンディションについては本人が一番わかっています。年齢的には引退を考えてもおかしくないですが、本人ができると判断して決断したことですから、その決断を尊重して応援したいと思います。
近年、J3リーグもレベルが年々向上しており、J2昇格争いも毎シーズンのように違うチームが顔を出してきています。そんな中、選手として富山で活躍し、J2昇格を果たせるよう、応援したいと思います。
そして将来は必ず清水に戻ってきて欲しい。西部のエスパルスに対する愛情は本当に深いですし、いろいろなことがありながら12シーズンもプレーしてくれた西部には清水で達成してもらいたいことがありますのでね。ありがとうとともに「行ってらっしゃい!」と言いたいです。