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ピーター・クラモフスキー監督の契約を解除 新監督に平岡宏章コーチが昇格

今シーズン、横浜F・マリノスのヘッドコーチから清水の監督に就任したピーター・クラモフスキー監督ですが、11/1に解任が発表されました。

また、同様に今シーズン招聘し、クラモフスキー監督とともに横浜でスタッフを務めていた今矢直城コーチ安野努フィジカルコーチも契約解除となります。

後任の監督はトップチームの平岡宏章(ひらおか・ひろあき)コーチが昇格することになります。

清水にとっては2シーズン連続のシーズン中の監督交代となりました。

 
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クラモフスキー監督は就任会見で語ったとおり「攻撃的でアグレッシブな速いサッカー」を掲げてシーズンイン。初戦となったYBCルヴァンカップの川崎フロンターレ戦、続いて行われたリーグ開幕戦のFC東京戦は共に敗れたものの、目指すサッカーの片鱗が見られ、サポーターも高い期待を寄せていました。

コロナ対策のための中断を挟んだ再開後も連敗となりリーグ戦5連敗を喫しましたが、それでもチームの形が見え始め、その後は5戦無敗と結果を出し始めます。

しかし、夏の連戦にともなう戦術の落とし込みやコンディション作りの難しさ、怪我人続出などの悪条件が重なり再び連敗地獄に突入。クラブワーストタイの7連敗を喫する前あたりから監督交代論も出始めていましたが、ワースト記録がかかった湘南ベルマーレ戦では3-0と勝利を収め、クラブのJ1リーグ戦400勝を達成。

夏の連戦が終わりチームの状態が上向くかと思われましたが、システムを3バックへ変更したことでチーム作りがやり直しとなってしまい、またも連敗を喫してしまいます。3度目の5連敗を喫したあとのサガン鳥栖戦では目標としている攻撃的でアグレッシブな速いサッカーの真逆を行くドン引きサッカーで勝ち点1を得るものの、2週間後の柏レイソル戦では中2日の相手に無失点には抑えながら得点を奪えなくスコアレスドローという結果に。改善は見られたものの湘南戦後7戦未勝利となり、その翌日に解任となりました。

 

ここまでリーグ戦・ルヴァンカップを28試合戦って3勝5分20敗。得点34、失点65。平均すると得点は1.21、失点は2.32。

クラモフスキー監督はクラブでの監督経験がなく、一からのチーム作りということでもちろん直ぐに結果が出るとは思っていませんでしたが、チーム構築力や修正力は予想以上に不足していました。

コロナ禍による日程の変更やタイトなスケジュール。選手の相次ぐ怪我。収入見込が減ったなかで進められない補強など、気の毒であった面はありますが、それを差し引いても現状のチーム状況は最悪です。成績はもちろんですが、成績だけではなく当初目指していたはずの「攻撃的でアグレッシブな速いサッカー」とは掛け離れたサッカーに終始している状況でした。

今シーズンは特例で降格がないため、今年で形を作って来年に勝負ができれば…という意見が大半でしたが、リーグ戦終盤になってきても将来性があるのか見えないチームの形。開幕戦で見せたようなアグレッシブで楽しいサッカーは見る影もなく、4バックなのか3バックなのか、3トップなのか2トップなのか、選手のポジションはそこでいいのか、交代選手は必要ないのか、勝ちにこだわっているのか、などなど毎試合疑問を感じ、来シーズンの勝負に対して不安に思う声が増えてきていたのは事実。

鳥栖戦のあと、2週間のインターバルがあるにも関わらず契約解除の話が出なかったので、多くのサポーターは「今シーズンはクラモフスキーで行くんだな」と思っていたと思いますが、ここに来ての監督交代は意外でした。おそらく11月に入り残り契約期間が減ったことで違約金が不要になったとか、減ったとか、そういう関係もあったのではないでしょうか。タイミングとしては遅きに失したのではないかと思いますが、来シーズンの準備を今から始めると考えれば、ポジティブに捉えられるかもしれません。

 

後任監督には昨シーズンまでユースチーム監督の監督を努め、今シーズンからトップチームのコーチに昇格していた平岡宏章コーチが就任。

平岡監督は2014年からユース監督を努め、その間に現在トップチームの梅田、立田、伊藤、宮本、西澤、川本、平墳、滝、ノリエガを指導。ユースでは多くの好成績を残してきました。

トップチームの監督経験はアルビレックス新潟シンガポール時代のみですが、指導経験は豊富ですし、エスパルス内部のこともわかっている人物です。

 

目指す形や成績、来シーズンどうするのかなどは就任会見を待たないとわかりませんが、とにかく来シーズンにつながるサッカーを見せてほしいと思います。それは成績だけではなく、サポーターやパートナー(スポンサー)がまた応援しようと思えるようなサッカーを目指してほしいと思います。

 

また、今回は監督交代ということになりましたが、清水エスパルスをどういうクラブにしたいのか。今一度、フロントには考えてもらいたいところ。もちろん「絵に描いた餅」ではなく、現実的な、実現可能なチーム作りを目指してもらいたいです。

チームは急には強くなりませんが、その中で最短距離を取るためにはどうしたら良いのか。どういう監督が必要でどういう選手が必要なのか。しっかり考えてやってほしいです。応援する人たちをがっかりさせるような運営だけはしないでほしいと切に願います。

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