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4シーズン連続の指揮官途中交代...平岡宏章監督との契約解除を発表「ここから更に一丸となり巻き返してくれることを期待」 今後は篠田善之コーチが暫定指揮

残念ではありますが…平岡宏章監督の契約解除が発表されました。

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平岡 宏章監督 契約解除のお知らせ(清水公式)
https://www.s-pulse.co.jp/news/detail/49640

このたび、平岡宏章監督との契約を双方合意の上、解除することが決定しましたので、お知らせいたします。後任は篠田善之ヘッドコーチが監督を務め、暫定的に指揮を執ります。

なお、トップチームの新体制につきましては、決まり次第お知らせいたします。

平岡 宏章 (Hiroaki HIRAOKA)

【出身地】
静岡県静岡市(旧清水市)

【生年月日】
1969年9月2日

【選手歴】
清水市立商業高校(現 清水桜が丘高校)
- 順天堂大学
- 清水エスパルス(1992)
- コンサドーレ札幌(1996)
- アルビレックス新潟(1997~1998)

【指導歴】
1999年
アルビレックス新潟 サッカースクールコーチ

2000年~2002年
アルビレックス新潟 アシスタントコーチ

2003年~2006年
アルビレックス新潟 コーチ

2007年~2008年
アルビレックス新潟シンガポール 監督

2009年
アルビレックス新潟 ジュニアユースコーチ

2010年
アルビレックス新潟 ジュニアユース監督

2011年
清水エスパルス ユースコーチ

2014年7月~2019年
清水エスパルス ユース監督

2020年
清水エスパルス コーチ

2020年11月
清水エスパルス 監督

2021年
清水エスパルス コーチ

2021年11月~
清水エスパルス 監督

【コメント】
『ファン・サポーター、そしてパートナーの皆様、いつも温かいご声援・ご支援をいただき、誠にありがとうございます。就任時に清水エスパルスをもう一度、強く・誇り高きチームに変革したいと、選手・スタッフとともに日々精進して参りましたが、今シーズンここまで、皆さまのご期待にお応えできるような結果を出せていないことに大変申し訳なく思っています。しかし、選手・スタッフは、ここまでシーズン当初に掲げた5つのマニフェスト、「無条件で全力を尽くす」「闘う集団となる」「競争しながら協調し合い、共創する」「献身性と一体感を持つ」「責任感を持ち、自立する」、この5つを常に実行してくれたことに感謝しています。残念ながら私は、志半ばでこのチームを離れることになりますが、清水エスパルス創設30周年を迎える今年、ここから更に一丸となり、巻き返してくれることを期待しています。そして、清水エスパルスの今後の更なる飛躍を願っています。

エスパルスファミリーの皆さま、本当にありがとうございました。そして、最後にいつ何時も笑顔で毎朝、見送ってくれた妻に心から感謝を伝えたいです』

清水エスパルスのOBである平岡監督は、過去2シーズンに渡ってシーズン途中から指揮を取り、いずれも好成績を収めていました。

2020シーズンはピーター・クラモフスキー監督の攻めの部分、2021シーズンはミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の守りの部分を活かしつつも、独自の選手起用、戦術起用でチームを蘇らせました。

特に2021シーズンは就任した時点からの残り4試合を3勝1分の無敗で乗り切り、4チーム降格という厳しい残留争いを制する手腕を発揮しました。

 

その手腕から、2022シーズンは開幕からチームを任され、30周年の記念となるシーズンを迎えます。

開幕当初から怪我人やコンディション不良で選手が揃わず苦戦を強いられますが、それでもリーグ戦2試合目のジュビロ磐田との静岡ダービーで勝利を収め、その後も勝ちきらないまでも引き分けで粘ったり、負けても内容的には進歩が見られたり、まずまずの状態でチームを率いてきました。

しかし、やっと選手が戻ってきたところでも新たなコンビネーション構築の難しさや、監督自体の選手起用・戦術起用に対する迷い。そしてリードをしていても試合をうまくクロージング出来ない采配などが目立ち、勝ち点を逃す試合が続きました。

特にここ1週間の3連戦では3連敗で2得点8失点と得点力不足・守備崩壊を招き、チームとして戦えない状況に。

再び怪我人が頻発する中でなんとか遣り繰りしようとはしていましたが、調整期間が取れない中でズルズルと連敗を喫してしまい、残念ながら3週間のリーグ戦中断期間前に契約解除の決定となってしまいました。

ここまでのリーグ戦での勝利数は2で、順位はJ2チームとのJ1プレーオフに臨む下から3番めの16位となっています。

 

期待されながら、どうしてこのような残念な結果になってしまったのか…監督だけの問題ではないと思いますが、なにか良い方向に変えるためには監督を交代することも1つの方法であり、仕方がありません。

平岡監督からは過去2シーズンもそうですが、今シーズンも「チームを強くしたい」という情熱が溢れていました。実際にその情熱と手腕で昨シーズンは残留に導いていました。

しかし、情熱・愛情だけではJ1は勝てない、そういう競争力の高いリーグになっています。清水がここ数シーズンもたついているうちにライバルはどんどん自力をつけて行っているのです。

 

清水はここ数年で社長、GM、監督が変わり、選手も大幅に入れ替えが進みました。それでも上位進出への足がかりは見えてきていません。

やはりチームとしてのビジョンがはっきりとしていないことが一番の問題ではないでしょうか。

どういうサッカーをしたい、というビジョンのもとに監督・選手を決めるべきだと思いますが、21シーズンからGMが変わったとはいえ、攻から守へ、方針が真逆の監督を招聘するなどビジョンが無いも同然の監督人選。

選手も個の能力は高い選手が揃っているはずなのですが、上手い選手を集めただけでは勝てません。チームとして機能していないと見れるシーンも、特にここ数試合では目立っていました。

 

暫定的には篠田善之ヘッドコーチが指揮を執ることになっています。

2日後に迫った天皇杯ですが、おそらくリザーブチームの若手主体で臨むことになると思います。普段エリートリーグでは篠田コーチが指揮をしていることから、その点では理にかなっていますが、おそらくこのまま正式な監督になることはないでしょう。

篠田コーチの手腕云々ではなく、コーチングスタッフはガラリと入れ替えなければ、おそらくチームが向上することはないと思います。どこかに大きな変化が必要です。

 

シーズン中での監督交代になりますが、今後就任する新監督の今シーズンのタスクは残留になるはず。

短期的には残留させることの出来ることのできる監督、長期的にはビジョンを持ってチームを成長させることのできる監督、なかなかこの2つを兼ね備えた監督を探すのは難しいですが、少なくとも残留させることは至上命題です。

選手をまとめ上げ、やる気にさせ、そしてスタイルを叩き込める。そんな監督が就任することを期待します。

 

改めてですが、平岡監督には感謝しかありません。ここ数シーズンの功労者です。別のポジションで、引き続き清水のために力を貸していただけるとありがたいです。

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