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三吉ブログのウルグアイ戦(日本の守備)についての感想が興味深い件

元清水エスパルスで現在ウルグアイ2部のクラブでプレーするDF三吉聖王がブログで先日の日本vsウルグアイの試合を振り返っています。ウルグアイでプレイするディフェンダーならではの視点で、大変興味深い内容となっています。一部抜粋。

ウルグアイ対日本。個人的な意見なのであしからず。(年末なのでブログ始めます。/プロサッカー選手、三吉聖王オフィシャルブログ。)

やっぱりこれが日本のレベルなんだろうな。自分は大学まで日本でプレーした日本人プレーヤー。日本の取り組んでるサッカーの限界をむかえてきてるんじゃないかと思う。自分はディフェンスだからっていうのもあるかもしれないけど、日本のディフェンス教育の基準が世界と離れすぎているのに原因があると思う。

試合後のメディアの反応を見ても「攻撃はいいけどディフェンスが弱い」っていうおおざっぱな評価が多かった。でもそれって当たり前なんだよね。日本のディフェンダーがやられて嫌な事。抜かれること。ジュニアの世代から「抜かれない守備」を徹底してきた日本人は、海外の選手に比べて「ボールを奪う能力」が明らかに欠けている。日本では抜かれなければ褒められる。シュートを打たれてもキーパーがとれるように限定する、もしくは枠外にいけばOK。でも海外(自分がいる南米)ではシュートを打たれたらダメ。ボールを奪わないと評価されない。

この違いで何が起きるか。ディフェンスする時の間合いが狭くなる。一対一で向き合った時に飛び込んででも奪いに来る。海外のサッカーを見ていて簡単に飛び込んで抜かれる場面があると思う。見ていて「軽い」と感じる場面。メッシがするする抜けていくのはディフェンスが飛び込んでいるから。あれは体感しないとわからないレベル。普通の選手ならあまりにも深い飛び込みにボールを奪われているレベル。ウルグアイ戦何度も惜しい場面があった。でも最後のところで足が出てくる。それをぎりぎりかわしても次が来る。一人一人が日本人のプレっシャーより10センチ深いところに来られたら、かわすのに30センチのズレが出る。そこに別の深いプレスが来る。最後のところでボールを奪われるのはオフェンスの技術だけの問題じゃない。相手のプレス、間合いが世界レベルだから。レーの間合いは幼少からの反復練習で身に付くもの。2,3日ですぐに身に付くものじゃない。

自分もこっちに来た当初は、自分の経験による間合いで対応してた。ある日1対1の場面で、対応し、限定し、打たれたシュートをキーパーがキャッチした。でもめちゃめちゃ怒鳴られた。「何言ってんだよ。ゴールされてないだろ」ってむかついた。意味も分からなかった。別の日。2対2のシュートゲームでベロンと対峙した。自分の間合いでシュートを打たれた。「打つのかよ?」ってちょっとバカにしたけど、ボールは信じられない角度でゴールに入った。そこしかなかった。

試合後、本田圭佑が「世界トップのクラブやリーグ、欧州CLといったレベルで何十試合、何百試合とやって身につくもの。Jリーグでやってる人がどうあがいても勝てない部分。だから、僕は海外に出た方がいいと言ってきている」とコメントした。このコメントを「Jリーグの軽視」とかって問題になってるみたいだけど、完全な的外れだと思う。オレが感じてる事とすべてが同じだとは思わないけど、この発言はJリーグをバカにした発言なんかじゃなく、「海外だから学べることがある。日本はそれを学んでいかなきゃいけないレベルにたどり着いた」っていう意味だとオレは思っている。

試合後ウルグアイ人と試合について話した。はっきり言って、今ウルグアイ代表は調子よくない。代表戦も勝てないし、負けたらプレーオフすら入れない現状。国内では監督交代やらフォルランの劣化が問題視されている。だからこそ日本にチャンスがあると思った。でも4点取られてフォルランには2点。日本が最終予選で戦ったイラクはウルグアイの一つ上の順4位のチリに6-0で大敗。南米で5年プレーしてオレもいまだに間合いあけすぎってたまに怒られる。日本がワールドカップ優勝するのは、まだ先のことかな。
これから代表を目指すDF陣には、ヨーロッパじゃなくて南米で修行して欲しいかも。

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