コロナウイルス流行の影響で今シーズンは12月中旬でもまだリーグ戦が終了していませんが、今シーズンで契約満了となる選手のリリースが出されています。
まずはブラジル人のFWジュニオール・ドゥトラとGKネト・ヴォルピ。
ジュニオール ドゥトラ選手 契約満了のお知らせ(清水公式)
https://www.s-pulse.co.jp/news/detail/46245
【コメント】『清水エスパルスの選手として最後の1週間になります。感謝の気持ちしかありません。初日から選手たち、スタッフ、社長、強化部、洗濯してくれる人たち、バスの運転手、清水エスパルスファミリーの全ての方々、そしてもちろんサポーターの皆さんが温かく迎えてくれました。清水エスパルスでのサイクルは間もなく終わりますが、たくさんの友達ができましたし、エスパルスサポーターの愛情を沢山感じました。これからも清水エスパルスの活躍を成長を祈ってます。清水エスパルスはずっと自分の心の中に残っています。ありがとうございました。ブラジリアン侍』
ドゥトラは2019シーズン夏にFW北川航也が移籍したあと入れ替わりで加入。
しばらく状態が上がらなかったものの、ターンオーバーで出場した天皇杯準々決勝のサガン鳥栖戦でゴールを決めて準決勝へ導き、準決勝のヴィッセル神戸戦でも敗れはしたもののゴールを決めています。リーグ戦では途中出場を中心に12試合に出場。リーグ戦終盤の第32節ホーム・大分トリニータ戦では試合終了間際に値千金の同点ゴールを決め、勝ち点1、そしてチームのJ1残留に貢献しています。
2シーズン目となる今シーズンはさらなる活躍が期待されましたが、外国人枠の関係で守備的な外国人選手起用が優先され、出場機会は限られました。しかしそれでも腐らずにチームを支え、出場をすればなにかやってくれそうなワクワク感を醸し出し、個人技を中心としたプレーでゴールを狙い、リーグ戦・ルヴァンカップでここまで6ゴールをマークしています。
プレーもさることながら明るいキャラクターでチームに溶け込み、サポーターからも人気に。ピッチにはたてない試合も多かったですが、加入したばかりのDFヴァウドやFWカルリーニョス・ジュニオが清水で欠かせない存在になっているのは、ベテランのドゥトラがサポート役としてピッチ内外で非常に大きな役割を果たしているからだと思います。外国籍選手として、とても貴重な選手でした。
ネト ヴォルピ選手 契約満了のお知らせ(清水公式)
https://www.s-pulse.co.jp/news/detail/46244
【コメント】『日本での生活は自分の人生で素晴らしい経験でした。素晴らしい人々に出会いましたし、そして競争力のあるリーグに来れて非常に良かったです。この素晴らしいリーグでまたプレーしたいです。ありがとう清水エスパルス』
ネトは今シーズン、コロンビアの優勝クラブ、アメリカ・デ・カリから完全移籍で獲得。清水で外国籍GKはあのGKシジマール以来。ある意味今シーズンの目玉補強的な選手でした。
しかし、出場はコロナの影響で中断する前のルヴァンカップ、リーグ戦の2試合と再開後のルヴァンカップの1試合の合計3試合のみ。
理由として当初は怪我が原因と思われていましたが、怪我が回復しても戦術的問題か、外国籍枠の問題か、それとも単に実力が伴わなかったのか、Jリーグに馴染めなかったのか、もっと別の問題か…結局出番が回ってくることはありませんでした。
出場した試合はすべて失点を喫し、結果として勝利に導くことは出来ませんでしたが、幅広いプレーエリアと低弾道で狙ったところに打ち込むパントキックはもっと見てみたかったなという気持ちになります。
コメントからは日本で続けたいというようなところも見えますので、今シーズンのもやもやを晴らす活躍を見せてもらいたいですね。
そして日本人のベテラン2選手も契約満了に。
六平 光成選手 契約満了のお知らせ(清水公式)
https://www.s-pulse.co.jp/news/detail/46242
【コメント】『8年間お世話になりました。大学生の時からずっとお世話になり、たくさんの監督やスタッフ、選手、そして自分を応援してくれる人に出会うことができ、プロとして育ててもらいました!この出会いをこれからも大切にしていき、次は敵としてアイスタで試合をできるのを楽しみに頑張っていきたいと思います!長い間ありがとうございました!』
MF六平光成は2013シーズンに中央大学から加入後、8シーズンも清水に在籍。2010年代の清水にとって激動の時期を過ごしたこととなります。
大学No1の司令塔と言われましたが、清水では主に守備的MFとして出場。2014シーズンから出場機会を増やしますが、その後は器用さを買われて左右のサイドバックにも挑戦。
2016シーズンにはJ2降格を味わいますが、チームに残留して昇格に貢献。しかし2018シーズンは怪我の影響などもありリーグ戦出場0に終わります。
復活を遂げた2019シーズンには再び出場機会を増やし、今シーズンも出場を重ねます。特に怪我人が続出した夏場には3バックに戦術変更したチームでリベロとして活躍し新たな一面を開拓。
このように様々なポジションで様々な経験を積み、プロで生き抜いてきました。ひとつのポジションで立場を確立できなかったとも言えますが、ポリバレントな選手としてチームが苦しいときにいつでも助けてもらったと思います。
8シーズンの中でJ1/J2含めて150試合以上のリーグ戦に出場しています。「今度は敵として」というコメントにもあるように、六平ならすぐに他のクラブが見つかると思います。アイスタでプレーすることをサポーターも期待したいと思います。
もうひとり、今年加入したばかりのDF金井貢史も契約満了に。金井のリリースが一番驚いたかも。
金井 貢史選手 契約満了のお知らせ(清水公式)
https://www.s-pulse.co.jp/news/detail/46243
【コメント】『1年という短い期間でしたが、お世話になりました。チームになかなか貢献出来ずに申し訳ない気持ちでいっぱいです。僕自身もっともっとレベルアップし、皆様に“頑張ってるな、いい選手だな”と思ってもらえるように頑張っていきたいと思います!残り2試合、清水エスパルスの為に全力で戦わせて下さい。本当にありがとうございました!』
金井は昨シーズンまでサガン鳥栖でプレーしていましたが、元はピーター・クラモフスキー前監督と横浜F・マリノスでコーチ・選手の関係であった縁で今シーズンから清水に加入していました。
サイドバックながら「NSK=なぜそこに金井」と言われる神出鬼没さは清水でも健在で、今シーズンも2ゴールを決めています。
ポジションはサイドバックなら左右どちらでもプレー可能であったことは魅力でしたが、怪我などでポジションを明け渡したり、大量失点を避けるためにより守備的なDFファン・ソッコをサイドで使ったりしたことで、出場はここまでリーグ・カップ戦合わせて15試合に留まっていました。
J1リーグでコンスタントに試合に出ていた選手なので、ここで手放すのはもったいないような気もしますが、おそらく来シーズン以降もJ1でプレーする事のできる選手だと思いますし、こちらも六平同様、アイスタに敵としてくることを楽しみにしたいですね。
若手でユース出身で3シーズン目だったDF伊藤研太、FW平墳迅も契約満了となりました。
平墳 迅選手 契約満了のお知らせ(清水公式)
https://www.s-pulse.co.jp/news/detail/46240
【コメント】『静岡での6年間、幸せな時間でした。チームに貢献することができず、悔しい気持ちでいっぱいですが、これからも自分らしく、がむしゃらに突っ走ろうと思います。応援ありがとうございました』
伊藤 研太選手 契約満了のお知らせ(清水公式)
https://www.s-pulse.co.jp/news/detail/46241
【コメント】『この度、清水エスパルスを退団することになりました。ユースを含めエスパルスで過ごしたこの6年間は自分にとって、かけがえのない時間でした。熱い声援を送ってくださったサポーターの皆様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。自分は、まだまだ現役でサッカーを続けたいと思っているので、新たに成長した自分を見せられるように日々精神して頑張っていきたいと思います。ありがとうございました』
2選手ともに、ユース時代の2017シーズンには2種登録の選手としてトップチームのYBCルヴァンカップにベンチ入り。その後、トップチーム入りしてプロ生活をはじめましたが、2選手ともに3年間での出場機会としてはYBCルヴァンカップの3試合のみでした。
平墳は今シーズン後半からJ3藤枝MYFCに期限付き移籍をしていましたが、藤枝の中では最年少となり、選手層の厚さを突破できずにベンチ入りがやっとという状態でした。
2人のプレーをもっと見てみたかったと思いますが、3年間で爪痕を残さなければ契約が更新されないというプロの世界の厳しさが垣間見られますね。
6人の選手はともにチームの勝利と自身のレベルアップを目指して全力でプレーし、練習に取り組みました。
志半し半ばで去る選手もいると思いますが、一度エスパルスのユニフォームを着た選手はどこに行っても応援したいと思います。
ありがとうございました!