11/29にコロンビアで発生したチャーター機墜落事故。この飛行機にはコパ・スダメリカーナの決勝第1戦に向かうブラジル全国選手権1部リーグのクラブ、シャペコエンセのメンバー、スタッフ、また報道陣などが乗り合わせており、その殆どの乗客が犠牲となりました。
犠牲にあわれた方に改めて哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り致します。また怪我をされた方にお見舞い申し上げます。
この事故が日本でも報じられ、注目された要因としては、まず乗客のメンバー、スタッフにJリーグ経験者が多く含まれていたこと。以下の5名です。
- カイオ・ジュニオール監督 ヴィッセル神戸(’09)
- ケンペス セレッソ大阪(’12)-ジェフユナイテッド千葉(’13-14)
- クレベール 柏レイソル(’05)
- チエゴ 京都サンガ(’10)
- アルトゥール・マイア 川崎フロンターレ(’15)
特にケンペスは3シーズンの長いあいだ日本で活躍し、13シーズンにはJ2得点王にもなっています。
’12シーズンは当時J1だったセレッソ大阪に在籍しており、清水エスパルスとのゲームにも出場。セレッソのホームゲームではゴールを決めていました。
2012 Jリーグ ディビジョン1 第26節 セレッソ大阪vs清水エスパルス
http://www.s-pulse.co.jp/games/result/2012092206/
また、もうひとつ注目の要因としては、今回参加していた「コパ・スダメリカーナ」は優勝クラブが来年の夏に日本で行われるスルガ銀行チャンピオンシップでJリーグ・YBCルヴァンカップ優勝クラブ(浦和レッズ)と対戦するということです。
シャペコエンセがもし決勝で優勝したら来日して浦和と対戦することになります。しかし、今年のコパ・スダメリカーナがどうなるのかはまだわかりません。
残ったメンバーがいれば試合は成立するかもしれませんが、開催はいろいろと難しいかもしれません。
決勝の対戦相手アトレティコ・ナシオナル(コロンビア)はシャペコエンセに優勝権利を譲る意向とも報じられています。
来年のスルガ銀行チャンピオンシップもどのようになるかわかりませんが、もし開催され、シャペコエンセに出場の意向があれば、Jリーグとしてきちんとお迎えしてあげて欲しいと思います。
さて、上述の通り今回の犠牲者にはJリーグ経験者が多く含まれています。清水に在籍した選手はいませんでしたが、現在清水に在籍している選手には他のクラブでチームメイトだった選手もいます。
その選手たちが、胸の内を語っています。コメントを各ニュースサイトから引用しました。
FW村田和哉 ケンペスとC大阪でチームメイト
「仲が良かったので、ただただ驚いている。愛されキャラだった。本当に言葉がない」
「最近もフェイスブックで子供の写真を上げていた。彼の息子とC大阪のグラウンドで一緒にサッカーをしたこともあるし、誰からも愛される選手だったので、本当に心が痛む」
「2トップを組んだこともあった。サッカー人として、これからは思いを持ってやりたい」
MF枝村匠馬 ケンペスとC大阪でチームメイト
「身近な選手がこういう事故にあったというのは悲しい。ケンペスは人柄も良かったし、子供もいたので…」
GK碓井健平 ケンペスと千葉でチームメイト
「ケンペス選手はJ2得点王になったし、真面目な熱い選手。リーダーシップもあるし、チームを良くしようと頑張っていて、尊敬できる選手だった。何とか助かってくれたらと思っていたが…」
「子供の誕生会などでも交流があった。残された家族のことを思うと心が痛い」
DF角田誠 チエゴと京都でチームメイト
「何度か食事した。衝撃が大きすぎる。対戦した選手の名前もあったし、悲しすぎる」
「コミュニケーションも取れて良い選手だった。あまりにも衝撃的すぎて悲しい」「サッカー界にとって仲間を失った。ご冥福をお祈りします」
小林伸二監督 当時モンテディオ山形の監督としてカイオ・ジュニオール監督と対戦
「(シャペコエンセは)どんどん(順位が)上がっていて、今年は9位につけていたチーム。それだけに衝撃的だった」「こうしてサッカーができることは幸せなこと。当たり前だけど、ありがたく思わないと」
またTwitterでは元清水のブラジル出身FWジミー・フランサが哀悼の意。
#ForcaChape #GodBlessMyFriends ???????????? pic.twitter.com/6ZGrt1yOAS
— Jymmy D. Franca ⑨ ® (@Jymmyvip) 2016年11月29日
プロサッカーの世界は広いようで狭い面もあります。特にブラジルと日本のクラブや選手との結びつきは密接であり、とても近い存在です。
飛行機事故というのは自動車事故よりも遭遇する確率が低いとも言われますが、残念ながらこのような事故は起こりえます。サッカークラブが関係する事故も今後ゼロにはならないでしょう。
それゆえ、監督が言うように「当たり前だけど、ありがたく思わないと」という言葉には重みがあります。
我々サポーターも同様で、サポートしているチームの繰り広げる一試合一試合を大事に楽しんでいきたいですね。