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理想を追求したゴトビ時代の終焉

※管理人の勝手コラムです。よろしければどうぞ…。

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ゴトビ監督の解任はまさに寝耳に水でした。朝起きて飛び込んできた「ゴトビ解任、後任は大榎」のニュース。しかし不思議とすんなり受け入れられました。

それから皆さんの反応をチェック。多くの方が「ゴトビ監督お疲れ様、ありがとう。」の言葉。私自身もそうですが、遅かれ早かれゴトビ監督とのお別れが来ることは皆さん覚悟していたのだと思います。

プロの監督は結果がすべて。それは疑う事の出来ないこと。ですから3年半やってもチームが成績を残せなければ御役御免となるのも当然。でも、まさか勝った試合の後にそうなるとは…。

国際経験豊かなゴトビ監督は、清水に、Jリーグに、世界基準の新しいサッカーを根付かせようと尽力してくれました。しかし、清水の選手にとっては理想が高く、残念ながらそれになじむ事が出来ませんでした。プロの選手なのに、みんなうまくなりたい、強くなりたいはずなのに、なんで理想の高いサッカーが出来ないのだろう?と思ったこともありました。もちろん選手たちもチャレンジしてくれたと思いますが、この「理想と現実」のギャップは思った以上に大きなものだったのかもしれません。

また、清水は資金が乏しく、選手を獲得できないor手放さなければならないという現実も理想を追い求めることを許してはくれませんでした。小野や高原といった実績・経験豊富な人気選手やアレックスと言った有能な外国籍選手を人件費圧縮や移籍金獲得のために手放さざるを得ず、最近ではチームにフィットしていたラドンチッチをレンタル元のチームから完全移籍で買い取ることが出来ずに失っていました。

そして、一部のサポーターやローカルメディアが理想を追い求めるゴトビ監督のやり方(あるいはゴトビ監督自身)を拒み、クラブの足を引っ張っていたのも事実。クラブ方針による決定も「すべては監督が悪いせいだ」と問題をゴトビ監督に押し付け、問題の本質から目を背けていました。

J1で上位に食い込み、ACLに出て、世界で活躍することを望んでいたのはゴトビ監督もサポーターもメディアもエスパルスに関わる全ての人の夢だったはず。理想的な結果を求めるのなら、理想的な戦いを求めていくのも必要なはずなのに、一部サポーターやメディアは目の前の勝ち負けにこだわるばかりにそういった理想に立ったサッカーを否定し、「王国清水のクラブは常に強くなければならない!」という部分だけに拘った見方をし、すべての責任をゴトビ監督に被せていたのではないでしょうか。

サッカーはグローバルなスポーツ。日本で勝ち、アジアで勝ち、世界に誇れるクラブにしたいのであれば、グローバルな視点で物事を捕えられる新たな風を吹き込むことも重要です。その点ゴトビ監督は世界の事情にも精通し、さらに日本のことを理解しようとしてくれる稀有な外国人監督でした。清水のことを愛し、選手を愛し、サポーターを愛してくれました。

理想に夢を求めた層、現実に拘わり続けた層、どちらが正しいという事は出来ませんが、私のような理想に夢を求めたサポーターにはゴトビ監督が去るという現実は悲しい結果です。

理想を追うか、現実を見るかという問題は監督がだれになろうと付いてくる根本的な課題。今後、エスパルスというチームが、そしてサポーターがそれをどのように考えるか?そのビジョンを一つに重ねなければ、また同じ問題が繰り返されるだけです。

残念ながら今は理想を語っていられる状態ではなくなってしまいました。まずは現実的な足場を固めなおすことが今の清水には求められています。しかし、やはり理想も追い求めたい。2,3年後にはアジアで戦えるようなチームになれるように、長期的な視野も忘れずチーム作りをしてもらいたい。そしてゴトビ監督が蒔いた種が芽をだし、元紀や石毛や櫛引やトシや駿や…ゴトビ監督が目を掛けてきた選手が躍動する姿を見たいと思います。それがゴトビ監督に対しての恩返しでもあります。

ゴトビ監督、本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。またいつかピッチサイドで指揮をとるゴトビ監督の姿を応援したいと思います。

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